2023 02
夏から続いた調査業務も一息ついて安堵。
昭和40年代からの基本設計が同一の建物調査は
昭和から平成に続く時代背景の変化と使われる材質や間取りの
変遷等も半年の間に大量に直接目視することができて本当に
面白かった。
スタート当初は効率的に作業を終わらせる為の動きに注力していた
ところで段々と気持ちに余裕が出来て時代背景や法律の考え方に
想いを馳せる。
事務所から車で5分の場所から新東名で4時間掛かる施設まで。
とても勉強になりました。
もうこんな経験はほとんどないだろうと思うので余計に。
建物の劣化も単純にコンクリートの経年劣化だけじゃないということを
改めて肌で感じることができた。
新築工事の設計がほとんどの時代から改修工事に携わらせてもらって
自宅を倉庫のリノベでやりたいと思ったのも遥か昔。
ただその頃の経験値では経年劣化の知識が足りていなくて
半ば実験のような自宅の設計だった。
ここで独立してから15年も経って思うことは全ての経験は
繋がっているんだということ。
歳を取ってただ老いたということもあるのかもしれないけれど
答えに行き着くスピードは物凄く早くなったのに時間がとても
ゆっくりと流れている中に身を置いているような感覚。
そしておかしなタイミングでフッと腑に落ちる。
もう自身の賞味期限も迫っていてあとどれくらいの建築物に
携われるのかなと考える時がある。
若手の頃は大きな新築の設計に関わっている自分にとてもやりがいを感じ
求めていたけどもうこの歳までくるとそれが改修でも調査業務でもきちんとした
体制下でストレスのない仕事をしたいと思うことが一番ではと思うように。
独立当初の頃に関わらせて貰った自治会館。
町内の組内に輪番で回ってきた役にたまたま関わって会合等でよく行くように。
そのタイミングで15年経過したエアコンのワイヤードリモコンの液晶が逝って
今の歳になるまでそんなことも新築の竣工時には思いも寄らなかった。
おそらく今後の設計ではワイヤードは2度と使わない。
電池を交換、又はリモコンを新しく交換するだけでそのリスクは大きくなくなる。
取替も簡易ながら電気工事が生じて素人だけではどうにもならない。
コロナの影響下、新築工事のコストが異常に高騰して平均所得の上がらない
現状のままではまだ当分は今の物価は「高い」と感じるままの中。
手取りが追い付くまでにはあと数年は掛かるのかなと思う今日この頃。
元々用途変更の容易な新築の計画が信条としていた中更に進化した
自身の設計の行き着く先は何処に向かうのか。
まだまだ生きているうちにやり残したことは多そうだ。
そんなことを思いながら15年目の事務所登録申請の準備をしつつ
確定申告の下準備もはじめて現場定例のメモと次の段取りをしながら
思う。
5年毎の更新なので次は頭に3という数字がいよいよ4に。
次の20年目に向けてこれからも頑張りたいと思います。